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1−17 静かな憎悪

last update Last Updated: 2025-08-30 13:21:02

「つい先程、ジョナサン様はお休みになられたところです」

メイドのダリアと一緒にベビーベッドを覗き込んだジェニファー。

ベッドの中には、1歳になったばかりのジョナサンが小さな両手を握りしめてスヤスヤと眠っている。

バラ色の肌に、金色の巻き毛のジョナサンはまるで天使のように愛らしかった。

「まぁ……なんて可愛いの……」

ジョナサンを見つめるジェニファーの顔に笑顔が浮かぶ。それはテイラー侯爵家に着いて初めての笑顔だった。

「可愛いだけではシッターは務まりません。失礼ですが、赤子のお世話はされたことがあるのですか?」

どうせ赤子の世話など出来ないだろうとダリアは決めつけ、冷たい口調で尋ねた。

「はい。子供の頃から、赤ちゃんのお世話はしてきたので得意です」

「え?」

笑顔で答えるジェニファーにダリアは苛ついた態度で尋ねた。

「子供の頃からですか? そんな話を信じろとでも? ジョナサン様のお世話をしたくてそのような嘘をおっしゃっているわけではありませんよね?」

(折角、執事長からジョナサン様のお世話を任されていたのに……。無理やりニコラス様の後妻に入った女に、お世話係を奪われるなんて……!)

ダリアは出産と同時にこの世を去ったジェニーの代わりに、ジョナサンの世話をしていた。

彼女は子供を出産し、子育てをした経験があるからだ。しかし僅か2歳で、子供を流行病で亡くしてしまった。

我が子を失い、絶望していた彼女を憐れんだ使用人たちはジョナサンの世話係にしてもらえないかと執事のモーリスに相談した。

そこでモーリスはニコラスにジョナサンの世話係にダリアを起用してはどうかと提案し、その要望が叶ったのだ。

ダリアは、ジョナサンをまるで我が子のように大切に育ててきた。それは彼女にとって生きる希望でもあった。

それなのに、ニコラスの後妻として現れたジェニファーに役目を奪われてしまったのだ。当然、ダリアにとっては納得のできない話だった。

(許せない……! 私からジョナサン様を奪うなんて……!)

ダリアは激しい憎悪をジェニファーに向けていた。しかし、そんな思いに気付かないジェニファーは笑顔で尋ねた。

「ダリアさん。では早速ジョナサン様のお世話の方法について教えていただけますか?」

「え、ええ。では今から教えて差し上げますね……」

この女に教えるのはジョナサンの為……。

ダリアは感情を押し殺し、返事
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